SCAN MYTH 第1号
北欧神話
「Scan. Myth」の第一号へようこそ。いくつかの紹介とちょっとした最新情報は北欧神話とヴァイキング時代のニュースと情報を広げる目的で配ります。この企画の背景について少しお話してから、北欧から遠く離れたこの日本で実際に次に進みましょう。デンマークにあるデンマーク・日本文化カレッジにいた時、私はヴァイキング時代と神話の興味が一緒であった日本人と連絡を取りました。数カ月に渡ってこれらの事柄について多くの手紙をやり取りし、共にこの企画を行うために話し始めました。私は訪日する予定をたて、同じ興味を持つ人に集まっていただきヴァイキング時代に関するレクチャーも同時に行おうとしました。その結果、2度のレクチャーとヴァイキング時代の文化に興味を持つ人々を集まって頂くこととなりました。まずはじめに京都の素晴らしい街で行われ、このレクチャーは成功し、さらに北欧の歴史を語り、それからデンマークと日本間の違いについて多くの問題を語り合いました。
東京では、ヴァイキング時代と神話について私自身の知識が試される素晴らしい機会になりました。多くのいい質問がレクチャー中に飛び交い、いい答えが返せたと思いたい。東京でのレクチャーは大挑戦であり、「ヴァイキング・フリーク」が集まったので素晴らしい経験となりました。その成功を非常にうれしく思っております。東京で、情報紙の作成を思いつきました。このもともとの理由は、北欧やヨーロッパから遠く離れているがヴァイキング時代・神話に興味を持つ人々が、いわば「情報源」により近い者からこれらのことについての情報や紹介が手に入れることができるためであります。さらにその他の重要な目的はヴァイキングの足跡を訪ねたい人々に情報をさしあげることです。だから私はこの情報紙をヴァイキング時代と神話に興味を持つ方々の手元に届くことを期待します。私はヴァイキング時代とそれにまつわる事柄をより詳しく見たい人々のために役に立つ情報を提供したいと思います。そのためにこれらの事柄に関する多くの博物館、史跡、活動をここで述べましょう。北欧のまずはじめに、リンホルムホイエというヴァイキング時代からの埋葬所と集落を見てみましょう。たとえこの情報紙がほとんどの北欧神話を網羅していたとしても、その他の事柄やケルト、日本などの他の神話への紹介となることを期待します。
リンホルムホイエ
ここでは古代デンマークの史跡のリンホルムホイエの丘を紹介しましょう。 デンマークの北ユラン半島のネレスンビィの街の近郊のリンホルムホイエの調査は1952年に始まり、6年後に終了しました。この巨大な作業と計画はオールボー市とデンマーク国立博物館の共同研究によって行われた。その結果は11世紀(一部は8〜9世紀、5世紀に属する700基の墓、10世紀のもの)からの集落を調査し明らかにしました。
◆ 埋葬所 ◆
41基の土葬墓を除いて、墓地は火葬墓からなるものである。これらの墓は様々な石を並べることで作り上げられている。特に、船型の列石、楕円の形が圧倒しているが、それだけでなく三角や四角もあり、石のない墓も存在している。ゲルマン鉄器時代とヴァイキング時代にたくさんの墓が造られた。土葬墓は5世紀がほとんどである。様々な形の火葬墓は6〜7世紀のもので、多くの船状列石は8世紀のものである。25メートルのもの1つを除き、全ての船状列石は8メートルを越えない。ヴァイキング時代に土葬墓は再び圧倒することになったと思われる。多くの火葬墓は墓の埋葬物には脅威的であった。多くの発見物は葬儀の火葬檀の高温に傷められ、埋葬の場所の広さに対して発見物は少ない。多くの品物は単に焼かれた。それにもかかわらず、陶器、ガラスのビーズ、砥石、紡錘、バックルといったたくさんの発見物を研究することができる。
考古学者によると、列石の形と埋葬品につながりがあると思われる。「女性の墓」にはガラスのビーズ、ブレスレット、紡錘が発見されている。これらの列石は楕円形と四角形が多い。「男性の墓」は三角形で、後に多くの船型が作られた。ここでの埋葬物はベルトのバックル、砥石、船の釘でヴァイキング時代の武器も埋葬された。
その丘の回りのたくさんの場所はデンマークの軍隊所有であった。丘の北部により古い村の跡が発見された。1954年に見つかった。多くの跡は囲い、たくさんの壁といった柱の穴が地面に残されていた。さらに21の小さな小屋がこの場所と関連している。これらの特殊な小屋の多くには、地中に建てられ、織物に使用する多くの器具がこの場所で発見され、北と北東の跡は少なくとも4軒のロングハウスが発見された。これらは16〜20メートルの長さで幅が6〜7メートルであった。これらの住居の類似した形は8〜9世紀の時期のもので、デンマークのこの他の場所でも発見されている。
◆ 住居地 ◆
考古学者がリンホルムホイエの南部を調査した時に、学者達はすでに埋葬地について知っていた。そのために過去の発掘以外の遺物は非常に驚いた。墓の上の砂の層(全墓地は砂で覆われていた)にヴァイキング時代の集落の跡があった。この集落は11〜12世紀にさかのぼる。丘の頂上の住居跡が発見された。この家の大きさは19メートルで、幅が5メートルであった。この住居の基本的構造はデンマークのこの他のヴァイキングの村や軍事基地で発見されている。それは10世紀後期のトレレボー、フィルカット、アッガースボルグである。再発見された住居で興味深い品々が発見された。ナイフ、爪とぎ石。紡錘といったたくさんの日用品である。それだけでなく1036年〜1039年の時期の銀貨も発見されている。このことでこの住居がヴァイキング時代後期のものである。さらに銀貨はスヴェン・エストリセンのために鋳造されたもの、一緒にハルデクヌート(クヌート大王の息子)のために鋳造されたものが発見されている。これらの発見物からの情報は丘の南部がヴァイキング時代後期(初期中世時代)にさかのぼることを教えてくれる。住居の下の砂を取り除いた時に、ある本に書かれているように、地表は巨大な洗濯板の様相になった。それはヴァイキング時代の畑が現れた。砂嵐が再び耕作地を覆い、これが現在まで残された。おそらくこれは希なことであり、覆われていない耕作地、足跡、住居は目に見えるものである。さらに荷車の轍が残されていた。
◆ リンホルムホイエの今日 ◆
今日のリンホルムホイエに訪れた人々はおそらく住居や建物などのある「ヴァイキングの村」を見たいと思うであろう。これは奇妙なことではない。リンホルムの丘はたくさんの様々な形と大きさの列石がある巨大な野ざらしの場所である。それは広い場所で、特に晴れた日にはリムフィヨルドまですばらしい光景となる。住居地の目に見える部分だけは住居などの跡のたくさんの柱の穴である。その昔、今日まで保存されるために土で覆われていた。数年前にすばらしい博物館がその場所に建てられた。さらに毎夏にヴァイキングにふんした人々がヴァイキング祭にこの丘に集まる。ここで多くの活動が行われる。ワークショップが作り、鉄器時代とヴァイキング時代の様々な品々の複製品が売られている。戦士にふんした人々が剣や楯の技を見せるパフォーマンスを行い、その他の活動がある。その地の北欧神話のお話に基づく劇を行うアマチュアやプロのグループも存在する。
Forn Sidr Ase og vane samfundet i Danmark.
フォーン・シドは北欧神話とヴァイキング時代の文化に絶大な興味を持つ人々のグループである。デンマーク、スウェーデン、ノルウェイではこのようなグループがたくさんあるが、フォーン・シドはその他の集団から秀でていることは、このグループが宗教的である事実からである。フォーン・シドの崇拝は北欧神話の神々である。彼らは春分、秋分、夏至、冬至に神々を祝うために集まり、北欧の共通の話題を話し合う。デンマークの新聞のジャーナリストは、この市の20に、この春の集会に招待された。
このグループの12〜15人のメンバーがある場所(考古学者に従って)やデンマークのロスキレに近い古いヴァイキングの埋葬地に集まる。フォーン・シドのメンバーはこの場所をいにしえの聖域と信じているので、この地を儀式の場所に選んだ。フォーン・シドのメンバーは円形になり、そこで司祭がオーディン、ロキ、ニョルズ、チュールに祈願する。それからその他の司祭が古代北欧語で「オーディンの歌」を歌う。豚の血で満たされた器がメンバーに回され、全員が額をその血で染める。それから司祭は「フリッグの祈り」というその他の歌を歌う。「ミョード(蜂蜜酒)」で満たされた角杯は円状のメンバーに回される。全員が太陽に二度、それから神々に、それから家族、最後に友人にと儀礼する。
一人の司祭によれば、それからフォーン・シドは将来、40〜50人のメンバーになれば宗教団体になるであろうと言っている。申請書が教会関係の代表者に送られ、そのことのキャンペーンが組織されるであろう。
フォーン・シドに関してのこれ以上の情報は、残念なことに私はこの特殊な宗教団体の住所を知りません。
北欧神話。1部・世界創世
ギンヌンガガップは「空虚」の大きな場所の名であった。ここには空虚以外何もなく、海も、海岸も、天も、草木が生える大地もなかった。大きな空虚は氷の冷たい世界のニフルヘイムと火の世界のムスペルヘイムの間にあった。時が過ぎ、2つの世界が大きな淵に向かって動き、ムスペルヘイムの炎とニフルヘイムの氷と冷たさが出会った時、氷は白い霧となった。霧は湯気になり、ギンヌンガガップの音のない場所に湯気は水の滴となった。その水滴は巨人ユミルと雌牛アウドムラに生を与えた。雌牛の乳房から4本の牛乳の川が流れた。ユミルはこれらの川を飲み、強さを得た。ユミルが寝ている時に、脇の汗から一組の男女が生まれ、ユミルの左足で右足と共に息子を育てた。彼らからリムタルサと呼ばれる巨人が由来する。
アウドムラは塩気を帯びた岩をなめ、最初の夜に一人の男の髪が現れた。二日目の晩に頭が、三日目の夜に大きく、強く、容姿がよい大人の一人の男が現れた。彼の名はブリで、彼はブルの父になる。ブルはベストラと結婚してオーディン、ヴィリ、ヴェーの3人の息子を持つ。彼らは巨人ユミルを殺害し、その血で2人を除く全巨人をおぼれさせた。
オーディン、ヴィリ、ヴェーはユミルの死体を取り、ギンヌンガガップの中央に置き、その体で大地を創った。肉は土となり、血は海と大洋になった。ユミルの骨は岩と山になった。大小様々な石は骨と歯で創られた。
ユミルの頭蓋骨がおかれ、大空として用いられた。4人の小人が東西南北にそれぞれおり、頭蓋骨を持ち上げている。最後に雲はユミルの脳から創られた。
ムスペルヘイムから火花と炎がやってきた。神々はそれを取り、天空の星とした。さらに月と太陽がムスペルヘイムの炎で創られた。
2人の子どもを持つムンディルファリという男がいた。子ども達は二人とも美しいので月と太陽と呼ばれた。このことは神々を怒らせることになり、神々は二人の子どもを連れ去り、天空を横切る本当の太陽と月を引く荷車を引かせるために空に置いた。太陽の少女は非常に早く天空を横切った。というのはスコールという狼が彼女を追いかけ、毎日太陽を飲み込もうとしているからである。月の少年は非常に早く横切った。というのはハティという狼が彼を追っていたからである。
闇夜は「昼」という名の息子を持つ女性である。息子は母が暗いぐらいに明るかった。夜の母は馬の背に乗り天空を駆けた。夜の馬はリムファクシと呼ばれ、昼の馬はスキンファクシと呼ばれた。
オーディンと二人の兄弟がこれらを行い、海岸にそって歩き、海岸に向かって波が打ち寄せている時に、彼らは2本の生命のない樹を見つけた。オーディンはこれらの樹に精神と生命を与え、ヴィリは心を、ヴェーは感覚を与えた。それらはアスク(トネリコ)とエムブラ(ニレ)からミッドガルドに住む全人類が由来する。
神々が創世した世界は円く、回りを巨人が住む世界の海岸のある「世界の大洋」が取り巻いている。それはヨツンヘイムで、それはまたウトガルドの城がある。我々が巨人を口にする時、トロルの類を言う。北欧神話で奇妙なことに神々の多くが巨人と結びついているのであるが、ほとんどが邪の象徴で、神々と世界の秩序に敵対するものである。象徴的に語ると、我々は巨人は自然の驚異を象徴し、古代の迷信の一部をなす。
◆ ミッドガルド ◆
世界の中央にオーディンとその二人の兄弟がミッドガルドを人類が平和に暮らせる地として創った。神々自身にはアスガルドを創った。誰もアスガルドが天空のどこにあるかを知らない。それにもかかわらず、神々の世界に行きたいと望めば、ビフロストという虹の橋を越えなくてはならない。虹の赤色は巨人の進入を防ぐ火の海である。さらに虹の端にはヘイムダルという門番が立っている。彼は9人の処女の息子である。彼はまた「黄金の歯」の名があり、必然的に彼の歯は黄金からできている。もちろん彼が住むビフロストは「天空の山」と呼ばれている。ヘイムダルは鳥以上に寝ないと神話は語る。彼は非常によい目をしており、昼夜問わず100マイルは見通せる。彼は草が成長する音、羊の毛が伸びる音を聞くことができる。そのため彼はビフロストの番人として十分な腕がある。
アスガルドの中央にユグドラシル宇宙樹がそびえ、北欧神話では神聖な樹である。世界で最も大きな樹である。「世界樹」もしくは「生命の樹」と呼ばれる。ユグドラシルの枝は全世界に到達している。それは天空一杯に広がっている。3本の根がある。それぞれの根はある世界に到達している。1本はヨツンヘイムに、1本はニフルヘイムに、1本はアスガルドの下にと伸び、ウルズの泉に到達している。神々のウルズの泉で毎日、難しい話を協議するために会合が行われ、討論がある。アスガルドの泉は3人のウルズ、ヴェルザンディ、スクルドという「ノルン」が護っている。3人は全世界の人の運命と未来を司る。さらに彼女達は多くの邪悪なものがユグドラシルを傷つけようとするのでユグドラシルの世話をしている。樹の枝の上の3頭の鹿は歩き、食べ、ニッドホグ蛇は樹の根をかじり、目の間に鷹がいる。リスのラタトスクはニッドホグと鷲の間をゴシップと噂をまき散らすためにユグドラシルを上下と走り回る。
ヴァルハラへ話を向けましょう。これは「戦死者の館」を意味する。北欧神話とヴァイキング社会では非常に重要な場所である。ヴァルハラは戦士の楽園である。それはすばらしい場所として描写される。それは巨大である。館には540もの扉があり、それぞれの扉は一度に800名の者を通せるほど大きい。戦死者の館である。毎朝、戦士はよろいを着け、ヴァルハラ横の戦場で長い戦いのために準備する。しかし毎晩、戦で死んだ者は再び立ち上がり、飲み食いし、単によい時を過ごすためにヴァルハラの中へと入る。
神の中で最も高い者はオーディンである。彼はほとんどの神々と人々の父である。実際、彼は万物の父である。他の話であるが、知恵を得るために自己犠牲をしたので彼は隻眼である。さらに全てのものを見通せるフリズスキャルヴという高座に座る時に、オーディンが隻眼であることに問題がない。彼は全世界を見て、生活を見ている。彼はまた2羽の役に立つしもべを持っている。フギンとムニンという2羽のワタリガラスである。毎朝、それらは世界中を飛び回り、全世界のニュースを携え朝食までに戻ってくる。オーディンはまたゲリとフレキという2頭の狼を持つ。それらはオーディンがワインを飲むこと以外になにも口にしなくてもよいのでオーディンの食事を食べている。神々はまた、鳥、魚、蛇といったあらゆる類の動物の形になることができる。彼が動物に変身する時、彼自身の肉体はまるで寝ているかのように静かに横になっている。オーディンは魔法、魔法のルーン文字、魔法の歌を会得している。彼は風の方向を変えることができる。彼は空中を飛ぶ槍の矛先を止めたり変えたりすることができる。彼はあらゆるものに捕まったり縛られることがない。また彼は「吊された者(死者)の主人」と言われるので、彼は死者を立ち上がらせ、死者と語る。最後に彼は子供に祝福を与え、女性に愛を与える。
オーディンは戦の神で勝利の神である。彼の馬は8本足で、水の上や空中を大地を駆けるが如くに早く動けるスレイプニルという。オーディンが戦場を行く時、狼とワタリガラスがあとを追うので、彼は死者の神である。彼は勇敢な戦士の死(戦死者の館のヴァルハラへと導くため)をもたらすのである。
オーディンは巨人のフィヨルギュンの娘のフリッグと結婚している。彼女は女性の中で最も美しく、彼女自身の館を持つ。オーディンのように彼女は全ての事を知っているのであるが、彼女は何も語らない。
◆ トール ◆
トールはオーディンの息子で、彼はアース神族の中で最も強い。オーディンがヴァイキングの上流階級で最も崇拝されている一方、トールは小作人や農夫に重要であった。彼は人の保護者で、巨人の敵である。東側で巨人やトロルを殺害することでサガで多くトールの事が語られる。彼は非常に大きく、強く、赤い髪と赤い髭の神である。彼はシフと結婚し、彼らはビルスキールニルという館でスルードヴァングというアスガルドのある場所に住む。これは540室ある非常に大きな館である。トールはタングニョースとタングリスンという2頭の山羊を持つ。それらは天空を駆けるトールの荷車を引く。荷車でトールが駆ける時、雷と稲妻が空を走る。トールはいくつかの宝を持ち、それらは非常に重要でトールにとって大切なものである。最初のものはニョルニルという槌である。これが彼の主な武器で、多くの巨人とトロルがこの槌で殺害される。それはトールが投げると必ず獲物を撃ち、さらにトールの手元に再び戻るので魔法の槌である。トールの槌の象徴は北欧神話にとって非常に重要である。あらゆる北欧人はこの象徴を手にし、その意味を知った。次の宝は強さの帯で、トールがそのベルトを着けた時に2倍の力を得ることができる。最後のものは槌を振り回す時に役に立つ鉄の手袋である。
訳した者(ID NO. GEH11051/PITARO)。正直言いまして1日ちょっとでざっと訳をしたのでまずい部分があるかもしれないです。?と思われましたら原文と照らし合わして確認お願いします。ちょっと時間がなかったので「?」と思った部分をヤンセン氏に直接聞いて確認を取っていないので私の勘違い訳があるかもしれません・・・。これから3カ月毎にリリースしていくつもりです。今後とも宜しくお願い致します。
Scan Myth 第一号 1998年12月26日
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