Rök, kyrkogården, Lysings hd.
レーク石碑
- Ög136 -

Transliteration :
aftuamuþstntarunaRþaR+
inuarinfaþifaþiRaftfaikinsunu
sakumukminiþathuariaRualraubaruaRintuaR
þaRsuaþtualfsinumuaRinumnaR[a]tualraubu
baþaRsmnumisumnum・þatsakumna
rthuaRfurniualtumnurþifiaru
miRhraiþkutumauktu
miRnubsakaR
raiþiaurikRhinþurmuþistiliR
flutnastrntuhraiþmaraRsitiRnukaruR
kutasinumskialtiubfatlaþRskatimarika
þatsakumtualftahuarhistRsiku
naRituitukinkunukaRtuaiRtikiRsua
þlikia+þatsakumþritauntahuariRt
uaiRtikiRkunukaRsatin[a]tsiuluntifia
kurauinturatfiakurumnabnumburn
iRfiakurumbruþrum+ualkarfimraþulfsu
niRhraiþulfaRfimrukulfsuniRhislaRfimharuþ
ssuniRkumnutaRfimbi[a]rnaRsuniR
nukm---malu--kiainhuaR-þ þ ftiRfra
sagwmogmeni [þ]adhoaRigold
igaoaRigoldin[a]dgonarhosli
airfbfrbnhnfinbantfnhnu
Rtrkiuilinisþatrhfþrhis
iatunuilinisþat
sakumukmini
sibiuiauari
ulniruþR

Transcription :
Aft Vœmoð standa runaR þaR. En Varinn faði, faðiR, aft faigian sunu.
sagum mogminni(?) þat, hvœriaR valraubaR vaRin tvaR þaR, svað tvalf sinnum
vaRin numnar at valraubu, baðaR saman a ymissum mannum.
Þat sagum annart, hvaR fur niu aldum an urði fiaru(?) meðr Hraiðgutum,
auk do meðr hann umb sakaR.

Reð ÞioðrikR
hinn þurmoði,
stilliR flutna,
strandu HraiðmaraR.
SitiR nu garuR
a guta sinum,
skialdi umb fatlaðR,
skati Mœringa.

Þat sagum tvalfta, hvar hœstR se GunnaR etu vettvangi an, kunungaR tvaiR tigiR svað a liggia.
Þat sagum þrettaunda, hvariR tvaiR tigiR kunungaR satin at Siolundi fiagura vintur at fiagurum namþnum, burniR fiagurum brøðrum, ValkaR fim, Raðulfs syniR, HraiðulfaR fim, Rugulfs syniR, HaislaR fim, Haruðs syniR, GunnmundaR fim, BiarnaR syniR...
Nu'k minni meðr allu sagi. AinhvaRR...
Sagum mogminni þat, hvaR inguldinga vaRi guldinn at kvanaR husli.
Sagum mogminni, hvaim se burinn niðR drœngi. Vilinn es þat. Knua knatti iatun, Vilinn es þat...
Sagum mogminni: Þorr. Sibbi viavari ol nirøðR.



ヴェモドの思い出にこれらのルーン文字を立てた。そしてヴァリンがこれらを書いた、彼の故人の息子の思い出の父。
戦利品として12度、共に人から人へと一緒に、取られた2つの戦利品の古の話を語る。2つめに9世代前レイドゴートと共に命を落とした者を語る。そして彼は彼らと死んだ、彼の無礼のせいで。

勇敢なテオドリク、
海の戦士らの王は
統治したのは
レイドの海の岸。
さて彼は武装して座るのは
ゴートの馬の背、
盾を結ぶ、
メリング族の王侯。

12番目にグンの馬(ヴァルキュリアの軍馬、狼など)が20名の王らが横たわる戦場で食料を目にすることを我は語る。13番目に4度の冬の間、4つの名と共に、4名の兄弟らに生まれた、シェラン島にいた20名の王らのことを我は語る。ロドュルヴの息子らの5名のヴァルケら、ルグルヴの息子らの5名のレイドュルヴら、ホルドの息子らの5名のハイスルら、ビョルンの息子らのグンムンドら。
さて十分に話を我は語る。誰かが・・・(この部分は石碑が壊れており、明確な判読はできない)。
妻の犠牲で復讐されたイングヴァルドの血族の古の話について我は語る。
血族の若い戦士が生まれた古の話を我は語る。ヴィリンである。彼は巨人を打ち倒すことができた。ヴィリンである。
古の話を我は語る。ソール。ヴィのシッベ、90歳、(一人の息子を)授かった。

(石碑横のプレートに従う。S.V.F.ヤンセン同)


Rök石碑の碑文の読み解き



1
aftuamuþstntarunaRþaR+
2
inuarinfaþifaþiRaftfaikinsunu
3
sakumukminiþathuariaRualraubaruaRintuaR
4
þaRsuaþtualfsinumuaRinumnaR[a]tualraubu
5
baþaRsmnumisumnum・þatsakumna
6
rthuaRfurniualtumnurþifiaru
7
miRhraiþkutumauktu
8
miRnubsakaR
9
raiþiaurikRhinþurmuþistiliR
10
flutnastrntuhraiþmaraRsitiRnukaruR
11
kutasinumskialtiubfatlaþRskatimarika
12
þatsakumtualftahuarhistRsiku
13
naRituitukinkunukaRtuaiRtikiRsua
14
þlikia+þatsakumþritauntahuariRt
15
uaiRtikiRkunukaRsatin[a]tsiuluntifia
16
kurauinturatfiakurumnabnumburn
17
iRfiakurumbruþrum+ualkarfimraþulfsu
18
niRhraiþulfaRfimrukulfsuniRhislaRfimharuþ
19
ssuniRkumnutaRfimbi[a]rnaRsuniR
20
nukm---malu--kiainhuaR-þ þ ftiRfra
21
sagwmogmeni [þ]adhoaRigold
22
igaoaRigoldin[a]dgonarhosli
23
シークレットルーン/下で詳しく解説
airfbfrbnhnfinbantfnhnu
(sakumukminiuaimsiburiniþ)
24
シークレットルーン/下で詳しく解説
Rtrkiuilinisþatrhfþrhis
(Rtrkiuilinisþatknuknat)
25
コードルーン/下で詳しく解説
iatunuilinisþat
26
コードルーン/下で詳しく解説
sakumukmini
27
コードルーン/下で詳しく解説
sibiuiauari
28
コードルーン/下で詳しく解説
ulniruþR




コードルーン、シークレットルーンについて



 レーク石碑にはコードルーン、シークレットルーンなるものが多用されている。暗号のルーン(code runes)、秘密のルーン(secret runes)など名称だけを見るとなにやら神秘的な感じがするのだが、文字遊びのルーンとの理解をお勧めします。読み解き方法さえ判ればなんてことのない代物だからです。


◆ シークレットルーンについて ◆

カレビイ聖水盤(スウェーデン・ボフスレン)にある碑文は、raþe sa er kan namn orklaski とあり、このまま判読すると、orklaski というものが浮かび上がってくる。奇妙に思える人名なのだがこれがシークレットルーンなるもので、実はひとつづつ前にずらして読むのである。

つまりoはþであり、人名 Þorbiarn と読み取り、ソルビョルンという人名が浮かび上がってくる。これがシークレットルーンで、他にも後ろに一つづつずらすダ・ルン415象牙のレリーフの碑文などが存在する。そしてNO.23とNO.24がこれにあたる。

NO.23 碑文 airfbfrbnhnfinbantfnhnu は sakumukminiuaimsiburiniþ である。

NO.24 碑文  Rtrkiuilinisþat rhfþrhis は  Rtrkiuilinisþat knuknat となる。


◆ コードルーンについて ◆

 より古いゲルマン・フサルクの標準形を決定している7つの刻文のうちの一つであるゴトランド・スウェーデンのチルヴェル石碑には8個づつ3組に分けられている。ルーン占いなどで大活躍のフサルクを3組に分けてそれぞれ組の最初のルーンを取って、フレイのグループ、ハガルのグループ、チュールのグループと分ける方法がある。グループのことをエッティルと呼ぶ。これは17世紀のアイスランドのルーン文字学者がこれらのグループをœttirと言ったことに由来するようである。
 その語源は、R.W.V.エリオットが古期ノルド語のeiga(所有する)に関連していると思われる古期ノルド語のœtt(性、家族)に由来すると著書に書いてあるためにそれに習って一般的に言われがちなのだが、R.I..ペイジが著書に書いてあるようにこれは「家族」を意味するアイスランド語の単語とみなされ、また語源学の研究においてはátta(数字の8)と関連していると推測され、このことから「8つのグループ」と理解されると言われる傾向にあるようである。

 そしてNO.25とNO.26とNO.27とNO.28がこれによって判読されるのである。まず3つのエッティルに分け、それをさかさまから配置していく。つまり以下の表になる。


 NO.25は2つのルーンで族(エッティル)と番号を表している。


 NO.26の向かって左半分の刻文は中央の垂直線で分け、左の水平線が族(エッティル)になり、右の水平線が番号になる。そして向かって右側の刻文は左向きのものが族(エッティル)で、右向きが番号になる。そして向かって左側のコードルーンは枝のルーンとも言われる。コードルーンには枝のルーンの他に氷のルーンなどがある。


 NO.27とNO.28はXの水平の中央で分断し、上半分で1つの文字、下半分で1つの文字を表すのである。

 


 これらのコードルーンやシークレットルーンは英国や大陸での古物研究の対象として好まれたようで、写本に多く残されています。こういったコードルーンやシークレットルーンには、9〜11世紀の5つの写本でも知られるIsruna-Traktatというものがあり、そこにはラテン語で解き方の解説が書かれていることからそれ以前から使用されていたものであろうと推測されている。写本におけるルーン文字についてはまたの機会に。


 デンマークで最も有名で最も価値のある石碑を1つあげるとすれば、デンマークという単語が初めてかかれた石碑でもあり、デンマーク統一が書かれた石碑であり、デンマーク最古のキリストの図柄のあるイェリングの石碑と思われる。そしてスウェーデンで1つ石碑をあげるとすれば、最も有名でルーン石碑として最長の碑文を持つこのレーク石碑であろう。
 この碑文は最長というだけでなく、詩的であり、古代の英雄達について語るもので、ルーン文字の様々な技法が用いられている実に手の込んだ作品であると思われる。
 17世紀に教会の倉庫の壁から発見され、1843年に移設されそこで初めて全部の碑文が発見されたのである。しかし再び教会の建材として再利用され、20年間も新教会のポーチに用いられていたのである。そしてその後、やっと教会の敷地内に立てられることになった。
 時代は9世紀のもので、スウェーデン・ノルウェイ(レーク)フサルクはこれに倣うものである。



参  考


An Introduction to Old Norse
E.V.GORDON
OXFORD
188ページより抜粋




碑文







古期スウェーデン語








ヴェモスの思い出にこれらのルーン文字を立てる、しかしヴァリンがこれらを作った、彼の故人の息子の思い出に父が。
12度取られた、2つの戦利品、それぞれが異なる者からの、
2つの戦利品が何かを若人に語らせる。2つめに語らせる、誰が、9世代前、フレイズゴートに生まれたか、そしてその後にうぬぼれで彼らの中で死したかを。
海賊の王、勇敢な心のテオデリクはゴートの海(アドリア海)の岸を統治した。
今や彼はゴートの軍馬に跨り、メリング族の主の首に盾を吊るす。
生まれた息子が誰かを若人に語らせよう。
戦士。
それはヴィリンだ。
彼は巨人めらの征服者だった。
ヴィリンがその人だ。
さあ若人にこれを語らせよう。
イングルドの家系が誰が一人の婦人の犠牲により取り戻されたかを。
これが12番目に語らせる、
グン(狼など)の軍馬が20名の王達が横たわる戦場で食料を見出したかを。
これが13番目に語らよう、4つの名前、4人の兄弟らの息子達、4度の冬をシーランドで過ごした者、の20名の王らが誰かを。
彼らはラスルヴの息子達のヴァルキと彼の4人の兄弟ら、ルグルヴの息子達のフレイスルヴと彼の4人の兄弟ら、エイリンの息子達のハイスルと彼の4人の兄弟らである。
さあ、それぞれの者らに若人に語らせよう、彼が耳にしたこれらの贖罪金の十分な話を。若人に語らせよう。勇敢なれ。
賢いルーン文字彫刻師のビアリは社を所有する。

page 187 - 191 / NOTE : pate261 - 263 に
レーク石碑にについての解説があり、
それらは下記研究書物で紹介されています。

スカンジナビヤ伝承文学の研究
- アイスランドの古詩を中心に -
関西学院大学研究叢書
第21篇
松下正雄著

 上記の著書の189ページから204ページにレーク石碑の碑文の古ノルド語の解釈や英雄伝説について、詩的な内容についての解説が詳しくあります。碑文や注釈などは上記の上記GODONのもの。
 ここではこれはゴートのテオドリクの伝説と結びつけるスウェーデンの古詩としており、 ÞiaurikRは東ゴート族のテオドリク王と認める一方、はじめの部分と終わりの部分を除いては今やもはや忘れ去られた伝説の王や英雄の名であろう。東ゴトランド(東ゴートとは異なる)の王のヴァリンが息子のヴェモスの死を追悼して建立したものであろう。この碑文の解読者のブッゲによれば、ヴェモスは当時の同国に人々にはテオドリク王の再来と見なされていたという。
 また碑文は九代前(約270年前)にフレイズ・ゴート族の中に生まれた者について語っており、このフレイズ・ゴート(Hreið-Goths)という語はゴート族を意味する。


心の猛き  テアウリク
海征く荒男の  君治むるは
アドリアの海  ゴートが浜や、
ゴートの駒の  背に今や、
いでや来たれと  打ちまたがり、
項に懸かや、  君が楯、
メールに終わる  名を持てる
東ゴートなる  一族の君。

198ページからの抜粋。

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