石を建立する習慣はノルウェイやスウェーデンででは西暦300年ごろから始まったとされ、そして6世紀までにデンマークに伝わる。そしてその習慣はデンマークフサルクと同様に再び北上し、やがてウプランドで流行することになる。ウプランドの石碑は主に1050年をはさんでその前後100年、主に11世紀の作品である。
そしてウプランドにはスウェーデンの石碑に分類される3千基のうち1千以上があり、数の上で他を圧倒している。(スコーネや、ブレーキンゲなどの現在はスウェーデンに入る地方はかつてデンマークであったために、それらの石碑はデンマークの石碑に分類される)
ウプランドの石碑は主に花崗岩で作られている。花崗岩は濃い灰色から明るい赤色まで様々で、そのキメの粗さも粗いものから細かいものまで様々である。 ウプランドでは砂岩は土中にあり、表土層の下にある。 ウプランドでは石灰岩は1%にも満たないが、ゴトランドやエーランドででは石灰岩が主である。 |
ウプランドの石碑のデザインは蛇(龍)が描かれており、その体が罫線となっている。その蛇の形で3つにデザインが区別される。1匹の蛇だけで描かれるA、2匹の蛇で描かれるB、8の字型に描かれるCである。 蛇だけが描かれた石碑がいくつか発見されており、まず蛇が石碑に刻まれ、その後にルーン文字が刻まれたと推測されている。 |
Aの様式 |
Aの図柄は一匹の蛇で構成される。 Aに分類される様式は上記の3つに分類される。そしてさらにタイプ2とタイプ3には副分類があり、それぞれ3つに細分される。 A-1は蛇の頭が向かって左にあり、外側を向いているものが多い。 A-2は首と尻尾がX型に交差しており、頭は向かって右で外側を向いているものが多い。 |
A-2のタイプ |
A-3のタイプ |
A-3Cは南東ウプランドで好まれた。より複雑な形で、Öpirとその流派に好まれた図柄である。 |
Bの様式 |
Bは2匹の蛇で構成される。ヤルレバンキ・ブル等で多く見られる図柄である。頭と尻尾は下方にあるのが多い。 B-2はAsmund等らの作品で見られる。B-3はBalliの作品で見受けられる。 |
Cの様式 |
Cの図柄は8の字型である。これは非常に複雑なデザインであるが自由度が高く、美しいものが多い。Öpirは特にこのデザインを好んだ。 |